高齢者・障害者等配慮設計・アクセシビリティ

中途視覚障害の方々と月に数回会ってパソコンの勉強会をして3年目。

勉強会で使うパソコンには、特別なパソコンというわけではなくて、
家電量販店で買ったパソコンに「スクリーンリーダー」がインストールされている、ただそれだけのものです。
スクリーンリーダーとは、画面を音声で読み上げてくれるソフトのことで、
ユーザーは耳に頼って、キーボードでパソコンを操作します。マウスは使いません。

目をつぶっていても、キーの配列とキーコマンドさえ覚えていればパソコンを操作できるのですから、めんどうくさがりの私にとっても「すごい便利」なものなのです。

しかーし

全般的な使い心地としては“無理矢理音声読んでる”感じは、扱い慣れた今でもつきまといます。
そもそもパソコンという製品は、いくら工業規格で「高齢者・障害者等配慮設計」が決められていても
実際にスクリーンリーダーだけを意識して作られているわけではなく、そうだとしても工業製品は長い研究と作り直し、いろんな人が関わりながら出来上がるわけですから、その段階で初期の目的、骨組みすらも二の次三の次と追いやられて製品完成!となるものなんじゃないかしらん

さて、その読み上げてくれるスクリーンリーダー搭載のパソコンで、
例えば、エディタ。
ばばばばばーっと文字を速打ちすると音声が追いついて来ません。
裏でセキュリティーソフトや自動アップデートなどが動いていようものなら、だんまりです。
笑えます。

ファイル操作をおこなえば、「いやいや...そんなに読まなくてもいいよ〜」と今は必要のない情報も長々と読んでくれますから、(←これはスクリーンリーダーの種類によって違います)慣れていても可視操作の約5倍の時間はかかります。

インターネットはというと...

福祉関連の催しイベントで、勉強会のメンバーがこのスクリーンリーダー搭載の音声読み上げパソコンの展示をした先日のことです。
市福祉課の職員が、市のホームページは、この音声のパソコンではどおなの?と訪ねて来たので、実際にパソコンに読み上げさせて、いっしょに観察してみました。

苦笑されていました。

改善策を聞かれましたが、「みんなが勉強することです」としか答えられませんでした。

時折直接請けるウェブの仕事では、
「アクセシビリティ」を必ず説明していますが、興味を持ってくれる人も少なく、なかなか解ってくれません。

世の中には、スクリーンリーダーユーザーが晴眼者と同じくらいの早さで情報を得られるホームページサイトも数多く存在します。完璧で、その大胆で細やかな配慮をされた作りは惚れ惚れします。

アクセシビリティが完璧なホームページを作るのは難しいもので、
最初から完成、いえいえ...。2年後の運用のことまで「アクセシビリティ」を妥協しないで作らないと仕上げることができないものなのです。
そのようなサイトは、スクリーンリーダーと視覚障害者を知っていなければ作る事も感じる事もできないもののようです。

すっかり話題がそれてしまいました。

【高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス】

下記の手順で読むことができます。

1. 日本工業標準調査会(jisc)
http://www.jisc.go.jp/

2. データベース・JIS検索
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

3. JIS規格番号からJISを検索「JISX8341」

ちなみに、
JIS X 8341-3:2004
「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3部:ウェブコンテンツ」
http://www.jsa.or.jp/stdz/instac/commitee-acc/web-tech-repo/technical-report.html